模試の判定が思うように上がらないとき、志望校を変えるべきかどうかが頭をよぎります。10月から11月にかけて、ご家庭でこの話題が出る回数が増えます。
結論から申し上げます。10月の時点で下げる判断をするのは、早すぎます。理由は、判定という数字の性質にあります。
この記事の内容
結論:10月の判定には、これからの伸びが入っていない
模試の判定が示しているのは、今の実力のまま入試当日を迎えた場合の見込みです。入試まで何ヶ月あるかは計算に入っていません。
10月から入試までには、まだ数ヶ月あります。その期間の伸びが含まれていない数字を根拠に、志望校という大きな判断をするのは、材料が足りない状態での決定になります。
加えて、夏の勉強が点数として表れるのは11月以降です。10月の判定は、いちばん成果が見えにくい時期の数字でもあります。
判断してよい時期と、その材料
下げるかどうかを決めるのは、材料がそろってからです。目安として、次の3つがそろった段階です。
- 模試の推移が3回分そろった(1回の結果では判断しない)
- 学校との面談で、内申を含めた見立てを聞いた
- 併願先の日程と条件を確認した
なお、出願の時期や手続きは学校によって異なります。いつまでに決めればよいかは、必ず志望先の要項と学校の指示でご確認ください。ここでお伝えしているのは、判断材料をそろえる順番です。
下げる前に、先に見直すこと
| 状況 | 本当の課題 | 先にやること |
|---|---|---|
| 判定は低いが偏差値は上がっている | まだ届いていないだけ | 今のやり方を続ける |
| 3回続けて横ばい | 勉強の中身が合っていない | やり方を変える。志望校は後 |
| 特定の科目だけ足を引っ張る | 科目配分の問題 | その科目に時間を寄せる |
| 学習時間そのものが減っている | 生活の問題 | リズムを立て直す |
いずれの場合も、志望校を変える前に打てる手が残っています。順番として、そちらが先です。
併願は「下げること」ではない
ここは混同されやすいところです。併願先を決めることと、第一志望を下げることは別の作業です。
むしろ併願先が決まっているほうが、第一志望に粘れます。落ちたときの行き先が決まっていない状態は不安が大きく、その不安が「安全なほうへ」という判断を早めてしまいます。
併願先は早めに、第一志望はぎりぎりまで。この順番が、結果的にいちばん粘れる形です。
それでも下げたほうがよい場合
もちろん、変更が妥当な場合もあります。
- 本人の希望そのものが変わった(学びたい内容が変わった)
- 通学や家庭の事情など、学力以外の条件が変わった
- 学校との面談で、内申を含めて明確に難しいと示された
これらは学力の伸びとは別の理由です。判定が低いことだけを理由に下げるのとは、質が違います。
保護者の方へ
この話題で、いちばん避けたいのは保護者が先に結論を言ってしまうことです。「ちょっと厳しいんじゃない?」は心配から出る言葉ですが、本人が自分で判断する機会を奪います。
そして自分で決めなかった志望校では、最後の数ヶ月を走り切れません。
関わるなら、判定ではなく中身を一緒に見てください。何点足りないのか、どの科目で埋められるのか、何ヶ月あるのか。数字が具体的になるほど、本人は現実的に考えられるようになります。
よくある質問
志望校を下げるかどうかは、いつ判断すればよいですか。
10月の時点では早すぎます。入試までの伸びが判定に含まれていないためです。一般的には、年明け以降の模試や学校との面談の結果を見てから判断するほうが、材料がそろいます。具体的な出願日程は学校により異なるため、必ず志望先の要項で確認してください。
E判定が続いています。それでも変えなくてよいのでしょうか。
判定の推移を見てください。E判定が続いていても偏差値が上がり続けているなら、方向は合っています。逆に3回続けて横ばいなら、勉強のやり方を変えるサインで、志望校を変える前にそちらを見直します。
志望校を下げると、勉強のやる気は下がりますか。
下がることがあります。目標が下がると必要な勉強量の見積もりも下がるためです。だからこそ、下げる判断は材料がそろってからにしたほうがよいと考えています。
併願校はいつ決めればよいですか。
第一志望より早く決めておくほうが安心です。併願先が決まっていると、第一志望に粘る判断がしやすくなります。決めておくことと、下げることは違います。
保護者として、どう関わればよいですか。
結論を先に出さないでください。「厳しいんじゃない?」という言葉は、本人が自分で判断する機会を奪います。判定ではなく、何がどれだけ足りないのかを一緒に確認する関わり方が有効です。
まとめ
- 10月の判定には、これからの伸びが含まれていない
- 判断は、模試3回分・学校との面談・併願先の確認がそろってから
- 下げる前に、勉強のやり方や科目配分など打てる手が残っている
- 併願先を決めることと、第一志望を下げることは別
- 保護者が先に結論を言わない。自分で決めた志望校でないと粘れない
判断に迷われているときは、模試の結果と通知表をお持ちのうえご相談ください。石井進学塾では、いま何がどれだけ足りないのかを具体的な数字でお伝えし、残り期間で届く範囲かどうかを一緒に確認しています。