推薦や総合型選抜を考え始めたとき、多くの人が最初に手をつけるのは志望理由書です。しかしそこから始めると、たいてい書き直しが増えます。
この記事では、10月の時点で何をどの順番で進めるとよいかを整理します。なお入試の名称・日程・必要書類は学校や大学によって大きく異なりますので、具体的な要件は必ず志望先の募集要項でご確認ください。ここでは順番の考え方をお伝えします。
結論:最初にやるのは、日程の逆算
書類の中身より先に決まっているものがあります。出願の締め切りです。ここから逆算しないと、間に合うかどうかが判断できません。
やることは3つです。志望先の募集要項を手に入れる。出願日と必要書類を書き出す。締め切りから逆算して、いつ何を仕上げるかを決める。これだけで、この先の迷いが大きく減ります。
特に見落としやすいのが、学校の先生に依頼する書類です。作成をお願いする時間が必要なので、自分の作業だけで日程を組むと間に合いません。
志望理由書は、文章から書かない
まず3つを箇条書きにする
- そこで何を学びたいか(分野・テーマ)
- なぜ他ではないのか(その学校でなければならない理由)
- 入学後に何をするか(具体的な行動)
この3点が箇条書きで出せない状態で文章を書き始めると、抽象的な言葉が並びます。「充実した環境で学びたい」「幅広い知識を身につけたい」といった表現は、どの学校にも当てはまるため、読み手には何も残りません。
「なぜ他ではないのか」がいちばん時間がかかる
ここを埋めるには調べる作業が要ります。カリキュラム、研究室、資格、卒業後の進路。調べた事実を1つでも書けると、文章の説得力が変わります。逆にここが空欄のまま提出されている書類は、読めばすぐに分かります。
自分の経験と結びつける
部活、行事、日常の出来事。大きな実績である必要はありません。その経験から何を考えたかが書ければ十分です。何をしたかより、そこで何に気づいたかを書いてください。
面接の準備で、差がつくところ
| 準備の仕方 | 本番で起きること |
|---|---|
| 答えを丸暗記する | 角度を変えて聞かれると止まる |
| 要点だけ決めておく | 言い回しが変わっても答えられる |
| ひとりで練習する | 沈黙や追加質問に慣れない |
| 第三者に質問してもらう | 想定外への対応力がつく |
もっとも多い失敗は、用意した答えを思い出そうとして止まることです。覚えるのは文章ではなく、話す内容の骨だけにしてください。
一般入試との両立をどう組むか
推薦・総合型を受けるからといって、学科の勉強を止めるわけにはいきません。不合格だった場合に一般入試が控えているうえ、学科の力は小論文や面接での受け答えにも効きます。
現実的な配分は、次のような形です。
- 締め切りのある作業(書類・出願手続き)を最優先にする
- 学科の勉強は毎日一定量を必ず確保する(減らしてよいが、ゼロにしない)
- 週単位で配分を決め、日ごとに揺れないようにする
保護者の方へ
志望理由書は、本人が書くものです。ただ、調べる作業と締め切り管理は手伝える部分があります。
特に効くのは、書き上がったものを読んで「ここ、どういう意味?」と聞くことです。説明しようとする過程で、本人の中の考えが整理されます。添削するより、質問するほうが本人の言葉が残ります。
よくある質問
推薦や総合型選抜の準備は、いつから始めればよいですか。
出願時期は学校や大学によって大きく異なるため、まず志望先の募集要項で日程を確認することが最初の一歩です。書類の作成には想像以上に時間がかかるため、出願日から逆算して1〜2ヶ月の余裕を見ておくと安心です。
志望理由書は何から書けばよいですか。
いきなり文章にせず、まず「その学校で何を学びたいか」「なぜ他ではないのか」「入学後に何をするか」の3点を箇条書きで出してください。文章にするのはその後です。順番を逆にすると、書き直しが増えます。
一般入試の勉強と両立できますか。
両立は可能ですが、時間配分を先に決める必要があります。書類作成は締め切りが決まっているため優先し、学科の勉強は毎日一定量を確保する形が現実的です。どちらも中途半端にならないよう、週単位で配分を決めてください。
推薦がだめだったときのことが不安です。
推薦・総合型で不合格だった場合に備え、一般入試の学習は並行して続けることが前提になります。学科の力は推薦の面接や小論文にも効くため、無駄にはなりません。
面接の練習はどのくらい必要ですか。
回数より、想定外の質問に答える経験のほうが重要です。用意した答えを覚えるだけでは、少し角度を変えて聞かれたときに止まります。第三者に質問してもらう機会を数回持つことをおすすめします。
まとめ
- 最初にやるのは書類作成ではなく、募集要項の確認と日程の逆算
- 先生に依頼する書類があるため、自分の作業だけで日程を組まない
- 志望理由書は3点の箇条書きから。文章はその後
- 「なぜ他ではないのか」に調べた事実を入れる
- 面接は丸暗記せず、第三者に質問してもらう機会を持つ
- 学科の勉強は減らしてもゼロにしない
志望理由書の書き出しや面接の準備でお困りのときは、募集要項をお持ちのうえご相談ください。石井進学塾では、書類の内容と学科の学習計画を一本の予定にまとめてお渡ししています。