そろそろ過去問に手をつけたほうがよいのか。11月に入ると、この相談が一気に増えます。
結論からお伝えします。過去問は、早く始めれば有利になる教材ではありません。始める時期を間違えると、時間を使ったのに得るものが少ない、という結果になります。
結論:始める目安は「基礎の入れ直しが一区切りついたとき」
過去問は、入試本番と同じ形式で出題された問題集です。つまり範囲全体から出ます。まだ学習していない単元や、抜けたままの土台がある状態で解くと、解けない問題ばかりが並びます。
その状態で解くと何が起きるか。解説を読んでも理解できず、時間だけが消え、自信も削られます。過去問が悪いのではなく、使う順番が早すぎるのです。
多くの受験生にとって、その一区切りが11月前後にあたります。ただし進み具合には個人差がありますので、時期ではなく状態で判断してください。
何年分やるか
| 対象 | 年数の目安 | 使い方 |
|---|---|---|
| 第一志望 | 3〜5年分 | 解き直しまで含めて2周する |
| 併願校 | 1〜2年分 | 形式と時間配分の確認が目的 |
| 共通の対策問題集 | 1冊 | 過去問で見つかった弱点を補うために使う |
年数を増やしたくなりますが、1年分を深く扱うほうが得点は動きます。10年分を1回ずつ解くより、3年分を2周するほうが効果があります。
解くときの3つの決まりごと
1. 必ず時間を計る
時間を計らずに解くと、いちばん重要な情報が取れません。時間内に解き切れなかったとき、原因は知識不足なのか、時間配分なのか、問題文の読み違いなのか。これを分けられないと、次に何をすべきかが決まりません。
2. 途中でやめない
難しい問題で止まっても、最後まで通してください。本番では飛ばして先に進む判断が必要になります。その練習も過去問の役割です。
3. 初回の点数は記録するだけ
初回は低くて当たり前です。過去問は実力を測る道具ではなく、出題の形式を知る道具として使ってください。点数を気にするのは2周目からで十分です。
復習の手順
- 採点する。ここでは点数ではなく、間違えた問題の種類を見る
- 正答率の高い問題を落としていないか確認する。ここが最優先
- 解説を読み、自力で解き直す
- 「なぜ間違えたか」を1行だけ書き残す
- 同じ理由が3回並んだら、それが自分の弱点
解き直しに使う時間は、解いた時間と同じくらいが目安です。解きっぱなしにするなら、解かないほうがましというくらい、復習に価値があります。
やりがちな失敗
- 年数を増やすことが目的になる — 解いた年数は成果ではありません
- 難問ばかり復習する — 合否を分けるのは、多くの人が取れる問題です
- 過去問だけに切り替える — 基礎の復習は並行して続けてください
- 1回目の点数で志望校を判断する — 形式に慣れていない段階の点数です
保護者の方へ
過去問の点数を見せてもらったとき、反応に迷うところだと思います。低い点を見て不安になるのは自然なことです。
ただ、初回の点数は低くて当然です。ここで表情が曇ると、次から見せてくれなくなります。聞くとしたら「時間は足りた?」が有効です。点数ではなく使い方の話になり、本人も答えやすくなります。
よくある質問
過去問はいつから始めればよいですか。
基礎の入れ直しが一区切りついた時期が目安です。多くの受験生では11月前後になります。範囲の学習が終わっていない段階で始めると、解けない問題ばかりで手が止まり、時間だけが減ります。
過去問は何年分やればよいですか。
第一志望は3〜5年分を、解き直しまで含めて2周する形が現実的です。年数を増やすより、1年分を深く扱うほうが得点につながります。併願校は1〜2年分で傾向をつかめば十分です。
最初に解いたら点数が低くて落ち込みました。
初回は低くて当然です。過去問は実力を測る道具ではなく、出題の形式と時間配分を知る道具として使ってください。点数を見るのは2周目からで構いません。
過去問は時間を計るべきですか。
必ず計ってください。時間内に解き切れない原因が、知識不足なのか時間配分なのか読み違いなのかは、計ってみないと判別できません。
解き直しはどこまでやればよいですか。
正答率が高い問題を落としていたら最優先です。合否に関わりにくい難問は後回しで構いません。解き直しの際は「なぜ間違えたか」を1行残してください。
まとめ
- 過去問は早く始めるほど有利ではない。基礎の一区切りが目安
- 第一志望は3〜5年分を2周。年数より深さ
- 必ず時間を計る。初回の点数は記録するだけ
- 復習は正答率の高い失点から。理由を1行残す
- 過去問に切り替えず、基礎の復習は並行して続ける
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