入試が近づくほど、不安は大きくなります。これは準備が足りないからではありません。大事なことに向き合っているから起きる、自然な反応です。
この記事では、不安を消す方法ではなく、不安を抱えたまま動く方法についてお伝えします。
結論:消そうとしないほうが、小さくなる
不安をなくそうとすると、意識がそこに向きます。「考えないようにしよう」と思うほど、そのことを考えている状態になります。
だから直前期に有効なのは、不安をゼロにすることではなく、不安があっても手が動く状態を作ることです。実際、受かっていく生徒の多くも不安を抱えています。違いは、不安の量ではなく、抱えたまま動けるかどうかです。
不安を「具体的な心配」に変える
漠然とした不安は対処できませんが、具体的な心配には対処できます。まずは紙に書き出してください。
| 漠然とした不安 | 具体的にすると | できること |
|---|---|---|
| 受からない気がする | 数学の大問3がいつも解けない | その単元だけ復習する |
| 本番が怖い | 時間が足りなくなるのが怖い | 時間を計って解く練習をする |
| 周りより遅れている | 英単語が終わっていない | 残りの範囲を数えて日割りする |
| 当日ミスしそう | マークのずれが心配 | ずれない確認の手順を決める |
書き出すと、多くの場合対処できるものと、できないものが分かれます。対処できるものは手を打つ。できないもの(当日の体調、問題の難易度)は、考えても変わらないので手放す。この仕分けだけで、かなり軽くなります。
眠れない夜について
直前期は眠れない日があります。ここで知っておいてほしいことが2つあります。
ひとつ。横になって目を閉じているだけでも、体は休まります。眠れていないと感じていても、実際には浅く眠っていることが多いものです。
もうひとつ。前日に眠れなくても、当日の力は出ます。試験当日は緊張で交感神経が働くため、眠気は思うほど出ません。「眠れなかったから駄目だ」と考えることのほうが、実際の睡眠不足より影響します。
やってはいけないのは、眠れないまま起き上がってスマホを見ることです。明るい光を浴びると、さらに眠りにくくなります。
本番で頭が真っ白になったら
- 手を止めて、深呼吸を3回する
- 問題用紙をめくり、解けそうな問題を1つ探す
- その1問を解く
- たいてい、ここで戻ります
予防としては、最初に難しい問題から始めないことです。1問目でつまずくと、その動揺が全体に影響します。得意なところから手をつけて、勢いをつけてから難問に向かってください。
手が動かない日の始め方
不安が強い日は、机に向かっても何も進まないことがあります。そんな日は、量を減らして構いません。ただしゼロにはしないでください。
- 5分だけと決めて、簡単な計算問題を解く
- 昨日やったところを読み返すだけにする
- 英単語を10個だけ確認する
目的は進むことではなく、「今日もできた」という感覚を残すことです。動けない日にゼロで終わると、翌日はもっと重くなります。
保護者の方へ
本人の不安を、家庭で完全に取り除くことはできません。取り除こうとして「大丈夫だよ」と言うと、かえって不安を言えなくなることがあります。
有効なのは、否定せずに受け取ることです。「不安だよね」と一度受け止めてから、「何がいちばん心配?」と具体化を促す。これだけで、本人の中で整理が進みます。
そしてこの時期、家庭が普段どおりであること自体が支えになります。特別扱いしすぎると、かえって緊張が高まります。
よくある質問
受験の不安はどうすれば消えますか。
消えません。そして消そうとするほど、意識が不安に向かって大きくなります。消すのではなく、不安を抱えたまま手を動かせる状態を作るほうが現実的です。
不安で眠れません。
眠れないこと自体を問題にしないでください。横になって目を閉じているだけでも体は休まります。「眠らなければ」と考えるほど眠れなくなります。前日に眠れなくても、当日の力は出ます。
不安なとき、誰かに話したほうがよいですか。
話せる相手がいるなら有効です。言葉にすると、漠然とした不安が具体的な心配に変わります。具体的になれば対処できるものも出てきます。
本番で頭が真っ白になったらどうすればよいですか。
深呼吸を3回して、解ける問題から手をつけてください。最初の1問を解くと、たいてい戻ります。難しい問題から始めないことが予防になります。
不安が強くて勉強が手につきません。
量を減らして構いません。ただしゼロにはしないでください。5分でも手を動かすと、「できている」という感覚が戻ります。動けないときほど、小さく始めます。
まとめ
- 不安は消えない。消そうとするほど大きくなる
- 漠然とした不安は紙に書き出して、具体的な心配に変える
- 対処できるものは手を打ち、できないものは手放す
- 眠れなくても当日の力は出る。目を閉じているだけで体は休まる
- 手が止まる日も、5分でよいのでゼロにしない
不安の中身を整理したいときは、一度ご相談ください。石井進学塾では、何が本当に足りていないのかを数字で確認し、対処できることとできないことを一緒に分けています。