春は、塾を検討し直す方が増える時期です。学年が変わり、カリキュラムの区切りとも合うためです。
この記事は、塾を運営している側が書いています。その立場で、できるだけ正直に書きます。変えたほうがよい場合もあれば、変えても同じことが起きる場合もあります。その見分け方をお伝えします。
結論:「成績が上がらない」だけでは判断できない
塾を変える理由として最も多いのが「成績が上がらないから」です。ただ、この理由だけで変えると、次の塾でも同じことが起きることがあります。
成績が上がらない原因は、塾側にあるとは限りません。家庭学習の量、通っている期間、そもそも何を目的に通っているか。これらを確認しないまま変えると、原因が持ち越されます。
変える前に確認したい5つ
1. 通っている期間
3ヶ月未満であれば、結果が出るには早い時期です。特に抜けを戻している最中は、成績に表れるまで時間がかかります。何をやっているかを確認してから判断してください。
2. 家庭学習の量
塾の時間だけで成績が上がることは、ほとんどありません。週2回通っても、それ以外の日に何もしていなければ、伸びるのは難しくなります。
ここがゼロに近い場合、塾を変えても結果は変わりません。
3. 何を目的に通っているか
定期テストの点を上げたいのか、入試に向けた実力をつけたいのか、学習習慣をつけたいのか。目的と塾の方針がずれていると、成果が見えません。一度、塾側に確認してみてください。
4. 本人が質問できているか
分からないときに聞けているかどうかは、伸びを大きく左右します。聞けていないなら、その理由が塾側にあるのか、本人の性格によるのかで対処が変わります。
5. 行きたがらない理由の中身
| 「行きたくない」の理由 | 対処 |
|---|---|
| 授業が分からない | レベルが合っていない。相談すれば調整できることが多い |
| 人間関係 | クラスや時間帯の変更で解決することがある |
| 時間帯が合わない | 部活や生活との兼ね合い。日程の相談が先 |
| 勉強そのものが嫌 | 塾を変えても変わらない。別の対処が必要 |
「行きたくない」という言葉だけで判断すると、原因が残ったままになります。
変えたほうがよい場合
一方で、変える判断が妥当な場合もあります。
- 相談しても、対応が変わらない — レベルや進め方の調整を求めても動きがない
- 本人の状況が共有されていない — 何につまずいているかを塾側が把握していない
- 目的と方針が根本的に違う — 入試対策が必要なのに、定期テスト中心のカリキュラムしかない
- 通うこと自体が負担になっている — 移動や時間帯が生活を圧迫している
これらは、努力や相性の問題ではなく、合っていないという構造の問題です。
変えるなら、いつか
学年の変わり目がもっとも動きやすい時期です。カリキュラムの区切りと合うため、途中から入るより負担が小さくなります。
ただし受験学年の途中での変更は慎重に。環境に慣れる時間が必要になり、その分の遅れが出ます。それでも変えるべき状況はありますが、判断は具体的な材料をそろえてからにしてください。
体験授業で見るところ
- 授業の分かりやすさ(当然ですが、これだけで決めない)
- 質問できる雰囲気があるか — 通ったあとの伸びを決めます
- いまの学力を、どう把握しようとしているか
- 何をどの順番でやるのか、説明があるか
保護者の方へ
塾選びは保護者が主導することが多いのですが、通うのは本人です。納得していない状態で通い始めると、最初の数ヶ月が無駄になります。
「なぜここに通うのか」を本人が説明できる状態にしてから決めてください。それだけで、通い始めてからの姿勢が変わります。
よくある質問
成績が上がらない場合、塾を変えるべきですか。
まず、通っている期間と、家庭学習の量を確認してください。3ヶ月未満なら結果が出るには早く、家庭学習がゼロに近いなら塾を変えても同じことが起きます。判断はそのあとです。
塾を変えるとしたら、いつがよいですか。
学年の変わり目が動きやすい時期です。カリキュラムの区切りと合うため、途中から入るより負担が小さくなります。ただし受験学年の途中での変更は、慎重に判断してください。
子どもが塾に行きたがりません。
理由を分けてください。授業が分からない、人間関係、時間帯が合わないでは対処が違います。「行きたくない」だけで判断すると、原因が残ったままになります。
集団と個別、どちらがよいですか。
一概には言えません。周囲と競うことで伸びる生徒もいれば、自分のペースで戻る必要がある生徒もいます。いまの学力と性格の両方から判断してください。
体験授業では何を見ればよいですか。
授業の分かりやすさだけでなく、質問できる雰囲気かどうかを見てください。分からないときに聞けるかどうかが、通ったあとの伸びを決めます。
まとめ
- 「成績が上がらない」だけでは判断材料にならない
- 通っている期間と家庭学習の量を先に確認する
- 「行きたくない」の理由を分ける。塾を変えても解決しない場合がある
- 相談しても対応が変わらないなら、変える判断は妥当
- 変えるなら学年の変わり目。受験学年の途中は慎重に
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