受験学年の夏に、一度だけ過去問に触れておくことをおすすめしています。1年分だけです。本格的に取り組むのは秋以降になります。
この記事では、なぜ夏に1年分なのか、そして何を見るのかを整理します。
この記事の内容
結論:夏の過去問は、点数を測るためではない
夏の時点では、範囲がまだ終わっていません。演習量も足りていません。点が取れないのは当たり前です。
それでも解く意味があるのは、入試がどういうものかを知るためです。形式、分量、時間配分、難度。これを知っているかどうかで、秋以降の勉強の意味が変わります。
ゴールを見ないまま走り続けるより、一度ゴールを見てから走るほうが、途中の判断が正確になります。
解くときの3つの決まり
1. 時間を計る
本番と同じ時間で解いてください。時間の感覚を知ることが目的の半分です。「1問にこれだけしか使えないのか」と体で分かることに意味があります。
2. 途中でやめない
解けない問題が続いても、最後まで通してください。飛ばして先に進む判断の練習にもなります。
3. 点数を記録するだけにする
採点はしますが、点数について考えるのはここまでです。この時期の点数に意味はありません。秋以降、同じ年度をもう一度解いたときに比較する材料になります。
解いたあとに見ること
ここが本題です。解いた問題を、3つに分けてください。
| 分類 | 意味 | 次にやること |
|---|---|---|
| 解けた | すでに使える力がある | 維持する。特別な対策は不要 |
| 解けるはずなのに落とした | 夏の残りでやるべき範囲 | その単元に戻る。最優先 |
| まだ習っていない | 2学期以降に扱う内容 | いまは気にしない |
2番目の分類がいちばん重要です。ここが、夏の残り期間でやるべきことを教えてくれます。
3番目を見て焦る必要はありません。習っていないのだから解けないのは当然で、2学期に扱います。
形式について気づくこと
1年分解くと、いくつか気づくことがあります。
- 大問の構成と配点の重み
- 記述の量(学校の定期テストとの違い)
- 問題文の長さ
- 時間配分の厳しさ
これらは知っているだけで、秋以降の勉強の優先順位が変わります。配点の大きい分野に時間を寄せる、といった判断ができるようになります。
何年分も解かない
夏に何年分も解いてしまうと、秋に使える年度が減ります。過去問は有限です。
また、範囲が終わっていない段階で何年分も解いても、同じ理由で解けない問題が並ぶだけです。得られる情報は1年分でほぼ十分です。
受験学年でない場合
中学1・2年生、高校1・2年生には、まだ必要ありません。学校の内容を固めるほうが優先です。
ただし、志望校が決まっている場合、その学校の問題を一度眺めてみるのは有効なことがあります。解く必要はありません。「こういう問題が出るのか」と知るだけで、日々の勉強の目的が具体的になります。
保護者の方へ
夏に解いた過去問の点数を見せてもらったとき、反応にご注意ください。この時期の点数は、実力を表していません。
ここで表情が変わると、次から過去問の結果を見せてくれなくなります。秋以降、いちばん重要になる情報が入ってこなくなります。
聞くとしたら「時間は足りた?」です。点数ではなく取り組み方の話になります。
よくある質問
夏に過去問を解いてもよいのですか。
1年分だけなら有効です。目的は実力を測ることではなく、入試の形式と難度を知ることです。範囲が終わっていない段階なので、解けない問題があって当然です。
点数が低くて落ち込みました。
夏の時点では取れなくて当然です。範囲がまだ終わっておらず、演習も足りていません。見るのは点数ではなく、出題の形式と時間配分です。
何年分やるべきですか。
夏は1年分で十分です。本格的に取り組むのは秋以降になります。ここで何年分も消費すると、秋に使える年度が減ります。
解いたあとは何をすればよいですか。
解ける問題と、まだ習っていない問題を分けてください。解けるはずなのに落とした問題があれば、そこが夏の残りでやるべき範囲です。
受験学年でなくても解いてよいですか。
中1・中2、高1・高2では必要ありません。まず学校の内容を固めるほうが優先です。ただし、志望校の問題を一度見ておくと目的が明確になることはあります。
まとめ
- 夏の過去問は1年分だけ。実力を測るためではない
- 目的は入試の形式・分量・時間配分を知ること
- 時間を計り、途中でやめず、点数は記録するだけ
- 「解けるはずなのに落とした問題」が夏の残りでやる範囲
- 何年分も解かない。秋に使える年度が減る
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