併願校の話になると、「滑り止め」という言い方をよく聞きます。ただ、この言葉には少し誤解があります。
併願校は、第一志望をあきらめるための準備ではありません。第一志望に粘るための土台です。行き先が決まっているからこそ、最後まで挑戦できます。
結論:併願を決めることと、志望校を下げることは別
この2つはよく混同されます。併願先を決めると、第一志望をあきらめたように感じる方がいますが、実際は逆に働きます。
落ちたときの行き先が決まっていない状態は、不安が大きくなります。そしてその不安が、「安全なほうへ」という判断を必要以上に早めます。
併願先が確保されていれば、第一志望はぎりぎりまで維持できます。順番としては、併願先は早めに、第一志望はぎりぎりまでが、いちばん粘れる形です。
何校受けるか
数を決める基準は、合格可能性ではなく日程と体力です。
| 考えること | 目安 |
|---|---|
| 合格の可能性が高い学校 | 最低1校は確保する |
| 試験日の間隔 | 第一志望の直前に試験を入れない |
| 移動の負担 | 遠方が続く日程は避ける |
| 受験料と手続き | 締め切りが重なる時期を把握しておく |
多く受けるほど安心という考え方には注意が必要です。試験は1回ごとに体力を使います。第一志望の直前に連続して受験すると、いちばん大事な日に消耗した状態で臨むことになります。
選ぶときの3つの視点
1. 実際に通う可能性で選ぶ
「受かっても行かない学校」を受けるのは、日程と体力の無駄になります。通う可能性がある学校だけを選ぶと、選び方そのものが変わります。
2. 通学の現実を確認する
所要時間、乗り換え、朝の時刻。3年間続くことなので、ここは具体的に確認しておいてください。合格してから気づくと、選択肢が減っています。
3. 入試の形式が第一志望と近いか
形式が近ければ、対策が兼ねられます。逆に大きく違う形式の学校を併願に入れると、そのための準備が別途必要になります。限られた時間では、これが負担になります。
決める順番
- 第一志望を確認する(変えない前提で)
- 合格の可能性が高い学校を1校決める
- その中間にあたる学校を検討する
- 日程を並べ、間隔と移動を確認する
- 出願の締め切りを一覧にする
順番が大事です。先に日程を見てしまうと、行きたい学校ではなく都合のよい学校を選ぶことになります。
なお、出願の時期・方法・必要書類は学校によって異なります。必ず志望先の要項と学校の指示でご確認ください。
併願校の対策はどこまでやるか
第一志望と同じ深さでやる必要はありません。
- 過去問は1〜2年分。形式と時間配分の確認が目的
- 出題形式が第一志望と違う部分だけ、追加で確認する
- 時間をかけすぎない。第一志望の対策が主です
保護者の方へ
併願校選びは、費用と手続きが絡むため保護者の関与が大きくなる部分です。ここで気をつけたいのが、本人の希望を飛ばして日程と費用だけで決めてしまうことです。
納得していない併願先は、受験当日の集中に影響します。「なぜこの学校を受けるのか」を本人が説明できる状態にしておいてください。
また、締め切りの管理は保護者が担いやすい部分です。出願日を一覧にして共有しておくだけで、直前期の混乱がかなり減ります。
よくある質問
併願校は何校受けるべきですか。
一概には言えませんが、合格の可能性が高い学校を最低1校は確保しておくことが基本です。多く受けすぎると日程が過密になり、第一志望の直前に体力を消耗します。日程と体力から逆算して決めてください。
併願校はいつ決めればよいですか。
第一志望より先に決めておくほうが安心です。行き先が決まっていると、第一志望に粘る判断がしやすくなります。ただし出願日程は学校により異なるため、必ず要項でご確認ください。
併願校を決めることは、志望校を下げることになりますか。
まったく別のことです。併願先を確保することで、第一志望をぎりぎりまで維持できるようになります。むしろ粘るための準備です。
併願校の過去問もやるべきですか。
1〜2年分で構いません。目的は形式と時間配分の確認です。第一志望と同じ深さで取り組む必要はありません。
併願校に通うことになったら、と考えると気が進みません。
実際に通う可能性がある学校として選んでください。「受かっても行かない学校」を受けるのは、日程と体力の無駄になります。通う可能性で選ぶと、選び方そのものが変わります。
まとめ
- 併願校は第一志望をあきらめる準備ではなく、粘るための土台
- 数は日程と体力から決める。第一志望の直前に試験を入れない
- 実際に通う可能性がある学校だけを選ぶ
- 決める順番は、第一志望 → 可能性の高い学校 → 中間 → 日程確認
- 併願校の過去問は1〜2年分で十分
あわせて読みたい
併願先の組み方に迷われたら、模試の結果と検討中の学校をお持ちのうえご相談ください。石井進学塾では、日程と体力まで含めて受験校の組み合わせを一緒に考えています。