第一志望に届かなかったとき、周囲はすぐに前を向かせようとします。「次があるよ」「そこもいい学校だよ」。善意から出る言葉ですが、その時点では受け取れないことがほとんどです。
この記事では、慰めではなく、この時期に何を決めて、何を決めなくてよいかを整理します。
結論:いま決めるのは、期限のあることだけ
結果が出た直後に必要なのは、気持ちの整理ではありません。期限のある手続きを片付けることです。
入学手続き、必要書類、費用の納入。これらには期限があります。逆に、進路をどう受け止めるか、これからどうしていくかには期限がありません。
まずこの2つを分けてください。期限のあることだけを、機械的に片付ける。それ以外は、後で構いません。
いま決めなくてよいこと
- この結果をどう受け止めるか
- 受験のやり方が正しかったのか
- 進学先で何をするか
- 将来どうするか
これらは全部、後から考えられます。いま考えても、正確な判断はできません。感情が動いているときの判断は、後で見ると偏っていることが多いものです。
切り替えを急がなくてよい
「早く気持ちを切り替えなさい」と言われることがあります。ただ、落ち込む時間は必要なもので、飛ばして通れるものではありません。
むしろ、無理に切り替えたつもりになると、後になって出てきます。時間をかけて構いません。数日で戻る子もいれば、数週間かかる子もいます。どちらも普通です。
振り返りは、落ち着いてから
「何がいけなかったのか」を考えたくなりますが、直後に行うと自分を責めるだけで終わります。
振り返る価値はあります。ただし、感情が落ち着いてからのほうが正確です。そのときに見るのはこの3つです。
- どの科目で、どれだけ足りなかったのか(数字で)
- いつの時点で、何が遅れていたのか
- 次に同じ状況になったら、どこを変えるか
この振り返りは、次の進学先での学習や、その先の受験に必ず効きます。ただしいま急いでやるものではありません。
進学先について
「そこもいい学校だよ」という言葉は、いま受け取れなくて構いません。
ただ、ひとつだけ事実としてお伝えします。進学先が最終的な結果を決めるわけではありません。入学後の取り組み次第で進路が大きく変わる生徒を、毎年見ています。
これは慰めではなく、実際にそうだというだけの話です。いま納得する必要はありません。頭の隅に置いておいてもらえれば十分です。
保護者の方へ
この時期、いちばん難しいのは何も言わないでいることかもしれません。何か言ってあげたくなります。
ただ、励ましや前向きな言葉を急いで出すと、本人は「落ち込んでいてはいけない」と受け取ります。すると、感情を出す場所がなくなります。
かけるとしたら「残念だったね」で十分です。事実を受け取るだけの言葉です。そして、本人が話し出すまで待ってください。
もうひとつ。保護者ご自身の落胆を、本人の前で出しすぎないでください。本人は、自分の結果で親を悲しませたと感じます。それがいちばん重い荷物になります。
よくある質問
第一志望に落ちました。何から考えればよいですか。
まず、期限のある手続きだけを片付けてください。進路そのものをどう受け止めるかは、時間をかけて構いません。期限のあることと、ないことを分けるのが最初の作業です。
すぐに気持ちを切り替えるべきですか。
切り替えなくて構いません。切り替えを急かされるほうが、後を引きます。落ち込む時間は必要なもので、無理に飛ばすものではありません。
家族はどう声をかければよいですか。
励ましや前向きな言葉を急いで出さないでください。「残念だったね」と事実を受け取るだけで十分です。慰めは、本人が話し出してからで間に合います。
進学先でうまくやれるか不安です。
進学先が最終的な結果を決めるわけではありません。実際、入学後の取り組みで進路が大きく変わる生徒を毎年見ています。ただ、この時期にそれを言われても受け入れにくいものです。いまは判断を急がなくて構いません。
受験のやり方が間違っていたのでしょうか。
振り返る価値はありますが、いま行う必要はありません。感情が落ち着いてからのほうが、正確に振り返れます。すぐに原因探しを始めると、自分を責めるだけで終わりがちです。
まとめ
- いま決めるのは、期限のある手続きだけ
- 受け止め方や今後の方針には期限がない。後で構わない
- 切り替えを急がない。落ち込む時間は必要なもの
- 振り返りは落ち着いてから。直後は自分を責めるだけになる
- 保護者は励ましを急がず、「残念だったね」で受け取る
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